唐沢山城
別  名  
所 在 地 栃木県佐野市富士町
築城年代 天慶3年(940)
築 城 者 藤原秀郷
区  分 山城(標高241m:比高200m)
遺  構 郭・土塁・堀切・竪堀・石垣
史跡指定  
現  状 唐澤神社

訪問適期 10 11 12
                       
 
東武佐野線「田沼」下車 登山口まで徒歩40分
登山口から山頂まで徒歩30分
駐車場:あり トイレ:あり
唐沢山城は佐野市街を見下ろす中世の山城です。
佐野氏の居城として築かれ、上杉謙信の猛攻を度々撃退した名城です。
あまりの天険ぶりが災いし江戸時代初期に廃城となりました。
 
唐沢山城は関東では珍しい高石垣を備えた山城です。
江戸時代に廃城となったわりには大規模な城割りの形跡もなく
今も累々と高石垣が連なっているので迫力十分。
 
では、唐沢山城を歩いてみましょう!
 
土櫓の石垣 枡形虎口 大炊井戸
田沼駅方面からつづら折れの坂道を登ると駐車場へ到着します。目立たないですが土櫓への入口があります。
少し前は見晴らしの良い場所でしたが今は藪がひどいです。
観光用の駐車スペースは蔵屋敷跡で、桝形を経て城内主要部へと続きます。
すぐにあるのが大炊井戸。山城では欠かすことのできない貴重な生活用水の供給源です。
 
天狗岩 天狗岩からの眺め 天徳丸
天狗岩からの眺めは格別です。関東平野という言葉が実感できる場所です。
ここから江戸城の火事を発見した佐野信吉はすぐに江戸へ駆けつけましたが、
逆に徳川家康から難癖をつけられて唐沢山城を廃して平地の春日岡城を築くこととなります。
 
四つ目堀切 帯郭 石垣
神橋が架かる四つ目堀切を越えて帯郭と三の丸へと続きます。
土塁が残っており、ところどころに石垣が顔を覗かせます。。
 
二つ目堀切 桜の馬場 武者詰
城内を廻る遊歩道は大きくわけて2コース。南側を通れば桜の馬場を経て本丸へ。
北側を通ると武者詰を経て北東尾根へ行くことができます。
 
二の丸の石垣 二の丸の虎口 本丸
二の丸は神楽があり、関係者用の駐車場を兼ねています。
虎口の石垣も残っています。ここから唐澤神社のある本丸へ続く道がありますが、これは後世のものでしょうか。
 
本丸の石垣
唐沢山城の一番の見どころはこの本丸の高石垣です。累々と続く石垣は素晴らしいの一言。
また随所に残るやや低い石垣も重厚感が漂っていて素敵です。
 
本丸跡 引局 車井戸
本丸には唐澤神社の社殿があります。一段下がって引局という郭があります。
その名前からして女房衆がいたのでしょう。南城へ下がる途中で北へ進むと車井戸があります。
 
南城の石垣
南城の石垣も本丸に勝るとも劣らぬ見事さです。隅部の石垣の積み方をじっくり見ることができます。
まだ算木積みは完成していない時代だったことがわかります。
 
長門丸 杉曲輪 北東の石垣
本丸から北東尾根に続く遺構を見ていきましょう。
長門丸は御花畠とも称される場所です。通路となった堀切もありますが、当時の姿を伝える堀切も残ります。
最果ての北東面には石垣が残っていました。
 
堀切 堀切 堀切と土橋
ご覧のように良い状態で残る堀切が多いです。
北東尾根の城域の端には見事な堀切と土橋が残っています。
 
唐沢山城へは鉄道の駅から路線バスはありません。徒歩かタクシーを利用することとなります。
案外距離があるので大変です。佐野駅南口にレンタサイクルがあるので利用すると便利です。
車の場合は駐車場完備なのでとても快適です。ヘアピンカーブが多いので運転は慎重に。
とても眺望に優れた山城であり、遺構もたいへん見事で目を見張るべき箇所が多いです。
藤原秀郷以来の佐野氏の居城に相応しい規模を誇る素晴らしい山城です。
 
周辺情報
唐沢山城にあるレストハウスのソースカツ丼がとても美味です。
山城の唐沢山城が廃城となった後の佐野氏の居城となった春日岡城は駅から連絡橋を渡るだけですぐ城内です。
唐沢山の西側には古い佐野氏の館城だった清水城があります。土塁が立派な平城です。
他にも佐野厄除大師や中世から近世の城館が多く点在しています。名物は佐野ラーメンです。